潰瘍性大腸炎 クローン病

IBDでもまず患者が多いのは潰瘍性大腸炎です。全国で20万人を超える患者さんがいらっしゃると推定されています。開業医などの先生方も消化器の疾患として出会うことも多いのではないでしょうか。

潰瘍性大腸炎の診察は、まず疑うことが大切です。患者さんは普通、下痢や血便、中には腹痛を訴えていらっしゃることが多いと思います。最終診断は、内視鏡をしていただくわけですが、その前に十分に問診をしていただければと思います。

下痢と血便の症状をもつ大腸の疾患はとても多く、大腸がん・食中毒・薬の副作用でも起こります。実際に患者さんを診ていただく際には、そういった可能性がないかきちっと問診でスクリーニングしていただくことが大切だと思います。そして内視鏡検査を行っていただき、所見が潰瘍性大腸炎と一致していれば、診断をつけていただくようになります。

その後、ご経験のある先生であれば、重症度分類によりますが、軽症の患者さんは、一般的なメサラジン製剤での治療をしていただくことになります。血液検査はぜひ実施していただき、炎症の反応や貧血がないのか等見ていただき、全体で重症度分類を決めていただくようになります。メサラジン製剤を使った治療までは、ぜひ開業医の先生方にも診ていただきたいですし、メサラジン製剤の投与が少量のまま症状が悪化して紹介されるケースもありますので、最大投与量での投与をお願いしたいと考えております。

それでも症状が改善されない場合に専門医にご紹介いただくことが良いと思います。もちろん、まったく潰瘍性大腸炎の症例を診たことがない先生であれば、早期に専門医にご紹介いただくこともあると思います。

クローン病

次にクローン病です。クローン病は、この病気をまず思いつかないと診断にたどり着かないことがあります。ですので、クローン病を頭の片隅におきながら、患者さんを診ていただければと思います。クローン病の典型的な症状は、腹痛と下痢になります。腹痛と下痢は風邪でも起こる症状なので、特異的な症状がないとも言えます。

また、クローン病の発病は年代が非常に若いので、過敏性腸症候群と間違われてしまうことがあります。こういった理由で、日本だけでなく欧米でもクローン病の確定診断に数年かかってしまうと言われています。

開業医の先生方に確認いただきたいクローン病を疑うポイントしては、肛門病変があるかどうかです。必ず肛門病変があるわけではないのですが、可能性が高いと言えます。そして、症状が長引き、慢性化していること、口内炎、関節炎がないか、診ていただき、血液検査を行っていただきたいと思います。クローン病は、症状が軽くても炎症反応が高いことがありますし、貧血になっていたりすることがあります。こういった症状が揃いましたら、この段階で専門医へ紹介いただくといいと思います。