3つの大ジャンプ

昔からの考えとして、世界の大きな変化には、少なくとも3つがあげられる

一つ目は宇宙の発生である。謎だらけであり、想像することも難しい。

二つ目は無生物から生物の発生である。この問題は、遺伝子の解明に従って、謎は薄くなっている。本質的に、無生物から生物への変化にはジャンプはなかったと言えるだろう。

三つめはヒトの脳において自我意識が発生したことである。これも、難問であるが、自意識があるという状態はどのような状態であるかについては、我々が日々経験していることである。

日常を忙しく生きていると忘れていることが多いが、誰か死んで、その人の自我意識が消えてしまったのだと考えるときなど、自我意識の不思議さを感じる

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旅に出て、世界が新鮮に感じられたりする。しかしそこで生活している人にとっては、日常であり、感動するようなものでもない。生活するということは自動機械のように生きているということであって、自意識を半分眠らせているようなものだ。自分が普段生きている日常も、よく考えてみれば、新鮮だし発見に満ちているはずなのであるが、意識は眠ってしまい、人間は自動機械のようになり、昨日と今日がどう違っていたかも説明できないようになる。逆に言うと、半分眠っていないと生活なんてできないと言ってしまうような生活を生きざるを得ない。いつも感動しているようでは生活は難しい。