下書き うつ病勉強会#88 一日電池と一生電池

エネルギー欠乏と関連して、一日電池と一生電池の話を紹介します。
「下書き うつ病勉強会#83 うつ病は脳のエネルギー欠乏か」で説明しましたが、もう一度要約すると、昼に活動中にストレスを感じながら無理をしていると、脳のエネルギーを使い果たす。夜になってリラックスして、熟眠すると、脳が充電されて、朝には頭はすっきりして、意欲も戻っている。
これが普通ですが、脳のエネルギーの枯渇が進行して、睡眠をとっても回復しなくなると、うつ病になるというわけです。
この説明は、「一日電池」が昼に放電して、夜に充電されるというイメージです。昼の放電量よりも夜の充電量が少ない状態がある程度続けば、夜の充電が追い付かなくなるわけです。これが続くとうつ病になります。

もう少し納得できる説明が昔からあって、それは一日電池と一生電池を考えるというものです。
一日電池は、上記のように、一日のうちに昼に放電して夜に充電する電池です。スマホの電池のようなものですね。一方、一生電池は、生まれながらに備わっているエネルギーです。一日電池が少なくなって困ったときに、一生電池のほうから補充して使います。このモデルだと、少し無理を続けても、すぐにはエネルギー不足にはなりません。でも、放電ばかり続いていると、いつかは一生電池から借りてくるエネルギーにも終わりが来ます。そのときがうつ病の始まりになります。
治療としては、まず一生電池の充電が必要です。休養を取ってよく眠りよく食べて、一生電池をまず充電しましょう。そのあとで、一日電池の充電と放電のリズムを取り戻します。一日の充電量につり合う程度の放電量で仕事ができるように調整します。

これは正式の仮説ではなく、簡単にイメージを説明する目的の『お話』と考えてください。