秘すれば花なり

秘すれば花なり。

現代のように何でもさらけ出す時代にはなおさら、秘すれば花なりである。などという意見もあるだろうが、どの時代にも、何でもさらけ出すのが人間であっただろうと思う。ただ、一部の人は、さらけ出すのが最大の刺激と思い、一部の人は、秘めるのが最大の刺激と思ったのだろう。礼節を重んじ、恥を知り、秘めることに最大の努力をし、それでもなお、思わずわずかににじみ出る、しかしそれは微細な刺激に反応する人にしかわからない、そのような刺激は、たぶん、さらけ出すより、重く、深く、切実なものであっただろうと思う。