史上初、グリーンランド標高3216mで雨観測…氷の大量融解で海面上昇加速か

史上初、グリーンランド標高3216mで雨観測…氷の大量融解で海面上昇加速か
2021/08/20 22:09
 大部分が北極圏にあるグリーンランドを覆う氷床の最高地点(標高3000メートル超)で、雪ではなく雨を観測史上初めて確認したと、米国立雪氷データセンターが発表した。氷床全体で大雨による氷の大量融解も確認されたといい、地球温暖化の影響が本格化している可能性がある。

 降雨は14~16日、標高3216メートルの地点にある気象観測施設で観測された。この施設では1989年の設置以降、真夏でも降雪しか確認されていなかった。

 発表によると、北米大陸から暖気が入り込みやすい気圧配置になった影響で、グリーンランドの氷床全体に3日間で70億トンの雨水が降り注ぎ、降雨量が1950年以降で最多になった可能性があるという。15日には、8月中旬に解ける氷の平均量の7倍に達したと推定された。

グリーンランドを覆う氷床の最高地点にある気象観測施設所(米国立科学財団提供)
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が今月公表した報告書では、グリーンランドを覆う氷床が今後、大量融解することはほぼ確実で、海面水位の上昇が加速すると指摘している。

 国立極地研究所の青木輝夫特任教授(気象学)の話「グリーンランドでは2012年にも過去に例のない大雨が観測されたが、降ったのは標高の低い場所だった。地球温暖化の影響が強く示唆され、ついに来るところまで来たという印象だ」
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