国家より大きくグローバルなGAFA+BATX

GAFA(ガーファ)はアメリカの代表的なIT企業であるGoogle(現アルファベット)、Apple、Facebook、Amazonの頭文字を使ったネーミングではあるが、これにNetflixを加えたFAANG(ファング)や、Microsoftを加えたGAFAM(ガーファム)も良く用いられる造語だ。
2020年4月には、ついに日本の株式市場である東証1部上場企業の時価総額を、GAFAMたったの 5社のみで上回った。東証1部にはトヨタやソフトバンク、NTT、ソニー、任天堂、ファーストリテーリング(ユニクロ)など、日本を代表する大企業を始め、2,000社以上が上場しているにも関わらずである。
Amazonの株価はここ5年だけ見ても約8倍、Microsoftは約4倍、Google、Apple、Facebookも2~3倍に値上がりしている。Amazonは今や我々日本人のネット通販の主流となり、Googleに買収されたYoutubeもTV業界を脅かす勢いで普及している。
中国においても、BATXと呼ばれる4社が株式市場をけん引してきた。検索エンジンのBaidu (バイドゥ)、B2B世界貿易やECサイトのAlibaba (アリババ)、ゲーム会社のTencent (テンセント)、スマホを始めとする総合家電メーカーのXiomi (シャオミ)がその4社だ。株式時価総額ではアリババは世界第7位、テンセントは世界第8位と、GAFAMに差し迫っている。

ジャック・アタリによれば、
GAFAにせよ、中国のBATXにせよ、ソーシャルネットワークが今やあたかも公共事業のようになっていること、そしてそうした企業が国を代表する巨大企業になっているのみならず、国家をも凌駕する存在になっている。『命の経済』のなかですでにわたしは、こうした企業が国家に戦いを挑むときがやってくると予測しています。なぜなら国家は地域的な権力ですが、こうした企業はそれに比較してより大きく、またよりグローバルな権力だからです。それからアメリカは、こうした企業を統制するに当たって困難に直面するだろうということも予測していました。今まさに、そういう事態になっているわけです。