カメラあれこれ

先日新聞でオリンピックの現場で報道カメラマンが使用するカメラについて記事があった。
望遠レンズが並ぶが、白いのはキャノンで、黒いのはニコン。
それが長い間続いていたが、今回の東京オリンピックではソニーのカメラも見られるようになって、徐々に変化がみられるという。

ドラマを見ていても、NCISではニコン、NCIS:LAではキャノン。ついでだけど、NCIS:LA では、PCがWindowsだということをはっきりわかるように映していたと思う。
韓国ドラマも、半々くらい。ソニーのカメラはドラマでいうと一つだけあったと思う。

ニコンは昔から軍事関係や警察関係で使われた。なるべく実際のままを再現する方針。その延長で、警察物のドラマではニコンが多いように思う。殺害の現場写真などは肌色がきれいとかそんなことが問題ではない。

キャノンは印刷機を販売している関係もあり、プリント出力した時点での写りの良さを、カメラとプリンタの共同作業で求めている。だから家族写真などを撮影して印刷して、アルバムに貼っておくという使い方に適している。

ソニーはもともとはテレビ局で使うテレビカメラなどで強みがあった。それも何年か前に、独占状態をパナソニックに一つ取られたというので話題になった。最近のカメラは動画もとれるようになっているので、そこはソニーの強みが発揮される。
CCD(撮像素子)はソニーの独占で、ほかのカメラメーカーにも供給している。世界のスマホのCMOSセンサーの50%をソニーが供給している。アメリカ軍で使用している無人爆撃機のビデオカメラもソニーの素子だった。
動きのある人間が被写体の場合、人間の目に焦点を合わせるオートフォーカス性能などはソニーの性能が良いとのことだった。フォーカスはカメラに任せて、手振れ補正も効いて、あとはシャッターチャンスに集中すればよいということらしい。

初めてオートフォーカスを導入したミノルタや、フィルムメーカーでもあり、写真機メーカーでもあった富士フィルム、同じくコニカ、などいろいろあったのだけれども、統合されて、ニコン、キャノン、ソニーの3つに集約された。オリンパスなんかは今もあるのかな。

実際の使用状況では、スマホでほどほど良い写真が撮れるし、報道写真としては現場に居合わせてカメラを持っているということが必要になるので、スマホ撮影のほうが圧倒的に臨場感のある報道写真が撮れて、読者から提供されたりしている。
スマホで撮影して、スマホのサイトにアップするとか、メールで送るとか、すべての手順がスマホで完結するのは使い勝手が良い。

昔なら現像、焼き付けなどの作業があったが、写真も動画もスマホで撮ってPCで加工することが多いようだ。暗室と化学薬品がいらなくなった。そして何よりも、安くなった。

実際、展覧会用に引き伸ばして印画するようなことは少ないので、写真機メーカーは斜陽だ。ニコンの経営状態が悪いと報道されたのも最近のことだ。

一眼レフも、ミラーレスの時代になって、そこはソニーが少し先に進んでいるといわれる。しかし一方で、レンズ資産の問題があり、たくさんの交換レンズを持っている人や会社はメーカーを変更するのも決心が必要なところだろう。

中古レンズ市場もある。技術は最新のレンズのほうがいいし、オートフォーカスとか手振れ補正とか、新しいもののほうが良いと思う。それでも中古レンズ市場があるのは、一つはもちろん値段の問題であるが、もう一つは、昔なら使えた薬剤や化学物質が、環境保護などの観点で現在は使えなくなっており、生産は中止、そうなると、たとえば昔のライカのレンズの独特な味わいなどを求めるときには中古レンズを使うことになる。
しかし最近はそれも、PCで様々なイフェクトを使えばいいような面もある。
紙に大きく印刷して展覧会用に飾るとか、韓国ドラマでよくある富裕層の居間に大きな家族写真や肖像写真を飾るとか、そんな場合には、大きなカメラでいいレンズを使ったほうがいいといわれている。しかし個人的にはあまり価値を感じない。

スマホでいいのに、あんなに重い一眼レフと望遠レンズを持ち歩く体力には感心する。オタクだから関係ないのだろう。

昔、フィルムメーカーがあったころは、フジが緑、サクラ(コニカ)が赤、コダックが黄色と、パッケージの色が、強みであり、こだわっている色だと宣伝されていた。個人的にはそんなに違うとわからなかった。ドイツのアグファとかも聞いたことはあるが特徴はよくわからなかった。

メーカーによる違いと言えば、例えばテレビでは、プラズマ、液晶、有機ELと移行しているが、ソニーやパナソニックに、テレビ画面を作る機械を納入している会社に聞いてみると、有機ELの普及にこんなに時間がかかるとは思わなかったという。また、ソニー、パナソニック、シャープ、あといろいろで、どれがきれいとか宣伝しているが、基本的に同じ液晶製造機械で製造しているので、メーカーの違いとしては最後の調整でどの色を強く出すかとかの違いくらいで、あまり変わらないのだと言っていた。