ドラマ「ヒューマンズ」

ドラマ「ヒューマンズ」2015
アンドロイド、自意識、感情、シンギュラリティなどのテーマ。
あまり深く掘ると一般の人の娯楽にはならないだろうから、仕方がないのだろう。

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宗教全般では、人間の脳をコンピュータで置き換えられるとは考えていない。
しかしまた科学では脳をコンピュータで置き換えられると証明できてもいない。
楽観的な科学者は、神経細胞の結合なのだから、結局、電子素子で複製可能だろうと考える。
宗教側は、人間の自由意志、自意識、感情などはコンピュータで複製できないものであり、それは神の領域と接した話だと考える。

昔からの議論で、脳が神経細胞の集まりではかないとすれば、そこに霊魂も神も人間性も、生じるはずがないし、人間の脳が電子回路で置き換えられるのなら、我々の社会で大切にされている倫理の根拠は失われるだろうとも考えられる。

しかしこのような宗教側の議論の弱いところは、神経細胞の複雑で微妙な結合以外の要素とは何であるかが、まだわからないところである。具体的に提示できない。
また、素朴唯物論的自然科学の弱いところは、実際には自意識のメカニズムがわかっていない、提示できないところで、その点は、見込み唯物論と揶揄されている。
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しかし考えてみれば、脳をコンピュータ回路で置き換えるとの話も、時代の影響がある。
蒸気機関が最先端科学であった時代は、意識に関しての力学的比喩が盛んであった。フロイトなどもその線上にある。
その後、電話交換機の時代になると、脳のシステムを電話交換機に例えて考えることもあった。
電磁気学の時代にはてんかんを説明できた。
今はスーパーコンピュータとか量子コンピュータとか、また高速ネットワークとか、そうしたもので例えているが、単に今がそういう科学水準であるというだけであって、人間の心を解明する準備が整ったからという話ではないのだ。
しかしまた、将来、どのような先端科学が人間の意識を説明するのかと考えても、わからないし、何がわかれば、解明できるのか、なども不明である。
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ただ、我々の目の前にある現実として、脳が不調の時にどうなるのかについては、観察できる。何が起こるか、何が起こらないか、観察できる。不思議の焦点である自意識が不調の時、何が起こるのか、観察できる。
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チェスも将棋もPCのほうが人間より強くなっている。まあ、自意識のメカニズムとは関係のない部分での脳の機能であるから、知的能力の点で超えられても、当然と受け止められている。計算処理能力と、アルゴリズムの開発の問題なので、囲碁も時間の問題であることは明白である。
政治なんかも、税金はどのようにすれば適正か、コロナ対策はどうすれば適正か、PCに相談してみればよいが、アルゴリズムを人間が作るので、そこに不透明な要素が生じてしまう。国民がアルゴリズムの公正中立を検証できる知能があればよいのだが、その知能があれば、現状の制度でも、もっとましな世の中になっているだろう。
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人工知能と人工自意識の違い。
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気長な考えとしては、最初に単細胞生物のDNA配列を用意し、スーパーコンピュータで進化をさせようというやり方もあるだろう。どのような環境を用意すればよいか難しいところであるが、多少の回り道や変化はあっても、最終的には似たようなものになるような気がする。