選挙制度は民意を反映しているか
2022年参議院選挙で見ると、
選挙区で、
与党・自公は、得票率45.5%、議席52
野党は、得票率54.4%、議席23
(得票では負けているのに、議席は52対23とは。ダブルスコア)
比例代表で、
与党・自公は、得票率46.1%、議席24
野党は、得票率54.0%、議席26
(与党は過半数取れていない)
一方、前回参議院選挙と比較すると
選挙区で
与党 前回47.5%、今回45.5%
野党 前回52.5%、54.4%
(与党は前回を下回っている)
比例代表
与党 前回48.4%、今回46.1%
野党 前回51.6%、今回54.0%
(こちらも、与党は得票率を減らしている。)
全体の投票率は、前回48.80%、今回52.05%でだいたい50%が棄権している。
したがって、与党を支持して投票した人は全体の25%である。
比例代表はそのことを反映していて、24対26で与党が半分より少ない。
しかし選挙区では52対23で、野党の二倍以上である。
つまり、選挙区では死票が多いことになる。民意を反映していない。
たとえばアメリカ大統領選挙でも死票が多くなるが、そのような制度を土俵として作戦を立てて競うのだから公平といえば公平である。
与党は選挙に際しての戦略が功を奏したといえるのだろう。どんな作戦を実行したかは詳しくは知らないが。
野党はまとまり切れず、戦う前から、自民党は安泰ムードだった。これはもう何年も前からだ。
与党が選挙がうまくて野党が下手だったというべきなのか、野党がまとまらないように特別な任務を帯びた人が金をもらって動いているものか。
最近では主義主張があって反自民というわけではなくて、自分の選挙区にすでに強い自民党議員がいるので、仕方なく野党に所属するという人も実に多い。できれば自民党から公認や推薦をもらいたかった人たち。そんな人たちと支持母体である連合の関係はどうなるのかといえば、なかなか困難。
それにしても、半分が選挙を棄権し、国民の25%が与党に投票した結果、政権与党が成立している。その半分の議席があれば、与党の意見となるわけだから、自民は約半分程度が清和会だと仮にすれば、12.5%の人の支持が、国を動かしていることになるのだろう。公明党もあるから、実際には清和会はもっと少なくて、10%程度なのかもしれない。
この10%の人が国の方針を決めて、予算の分配にも、法制度にも人事にも大きくかかわるのはやはり問題があるだろう。だから、例のお粗末な、統一カンニングの自民党憲法草案などが出てしまう。
郵政選挙の前は、建設業とか郵便局などが自民党経世会の支援母体だったが、小泉旋風で経世会は縮小し、その後は清和会が数を増やした。どのようにして増やしたのかが怪しいということになる。どのような支援母体だったのか、またマスコミの操縦はどの程度だったのか、情報戦においてどのような手段を使ったのか、資金はどこから出ていたのか。
それにしても、与党自公は、議席は2/3だが、2/3の人や過半数の人から支持されているわけではないのだと改めて確認する。投票権のある人の1/4だけである。それなのに2/3の議席を占めている。選挙制度のマジックである。
選挙制度にはもっと本当のマジックが隠されているとの話も出回っているけれども。