環境にぴったりになるように微調整するつまみ→働く、社会とつながる、交流する

在宅勤務にともなう体調不良に関連して。

人間の体にも心にも、「環境にぴったりになるように微調整するつまみ」があります。最初から固定しておかないのが環境適応には有利だから、ある程度の範囲で調整できるようになっているわけです。

たとえば、睡眠と覚醒には太陽の光という調整装置が働いています。光を感知してスリープから起動に移行するpcを考えれば、人間の脳はちょうどそんな感じです。
7時間寝たら自動的に起きるとかでもいいような気がしますが、朝日を浴びたら起きるというのはもっと細かく環境に合わせた調整ができるので合理的だと思います。夜勤の人とか、夜明け前に起きて準備をしなくてはいけない人は大変です。

人間は一人で過ごす時間も大切ですが、集団内で活動することによって、心も体も微調整されます。そもそも言葉がよい例ですが集団生活の中で微調整されています。小さい頃は親の言葉を学びますが、学校に行くようになると、仲間の言葉に近くなるように微調整されます。

女性の場合、集団でいると月経周期が一致してくるなどの観察もあります。人によって異なるでしょうが、これもホルモンなどの微妙な影響なのでしょう。
女性が集団生活をすると、月経周期が一致するという現象は、「メンストル同期」として知られています。この現象については、いくつかの仮説が提唱されていますが、はっきりした理由はまだ明らかではありません。
一つの仮説は、女性が一緒に暮らすことによって、ホルモンの分泌に影響が生じ、月経周期が一致するというものです。具体的には、女性が同じ環境にいると、フェロモンと呼ばれる化学物質が放出され、他の女性のホルモン分泌を調節する可能性があります。これによって、女性の月経周期が近づき、結果として周期が一致することがあると考えられています。
また、女性が集団生活をする場合、食生活や運動量、ストレスレベルなどの環境要因が共有されることがあります。これらの要因が月経周期に影響を与えることがあるため、共通の環境要因が月経周期の一致に関与している可能性があります。しかしながら、これらの仮説については、明確な結論は得られていません。
進化論的には、女性集団内で生理周期が一致すると自分のDNAを残す可能性が増えるような何らかのメカニズムがあるのではないかと考えます。妊娠可能時期が一致すれば何かが有利になるのではないか。
少し推測すると、優位なメスが優位なオスを独占しやすくなる。競合相手の妊娠の機会を奪う。でも、一方で、妊娠可能時期がみんなとずれていたほうが妊娠しやすくなるとの推定もできます。優位競争に勝ち残った女性にとっては妊娠可能時期が一致していたほうが有利です。他を排除できます。負けた人にとっては、一致していないほうが妊娠可能性が高まります。時間がたてば優位な個体の遺伝子が増えるのですから、生理周期を一致させる方向に進むのでしょうか。

人間は集団で働いて社会に関わり、そのなかで心身の微調整が実現されます。一人のままでいると、この調整弁を何に合わせてよいのか分からなくなります。
調整装置が壊れているのではなく、調整刺激が足りない場合も多いような気がします。

コロナに伴う在宅勤務などはこの辺りの問題もあると思います。