どのような革命も、新たな政治階級による絶対主義的な官僚支配をもたらす。

イタリアの政治学者ガエターノ・モスカ『支配階級』(1896)。
あらゆる社会は、支配する階級と支配される階級に分かれる。
支配階級は少数者であるがゆえに強固な組織を持つ。
支配階級が時代の変化に適応できなければ革命が起きるが、そこで新しい支配階級が生まれるだけである。モスカによれば、豊かで教養ある中産階級が没落し、無能で狭い関心に閉じこもった「大衆」が登場すると、民主主義の主張する平等の幻想によって大衆迎合 (ポピュリズム)が蔓延し、代議制は危機的な状態に陥る。
このような大衆民主主義は、金権的独裁か、軍事的官僚的独裁をもたらす。
どのような革命も、新たな政治階級による絶対主義的な官僚支配をもたらす。