自分の女房を知るにはな、にんじん、何年もかかるんだ。で、それがわかったときにはもはや手遅れなんだ。

父親に連れられて散歩に出たにんじんは母の不当な仕打ちを父に訴える。だが父親は取り合わず、重い口を割っていきなり「それじゃあなにか、このわしは彼女を愛していると思うのか?」と怒ったように言う。
戯曲『にんじん』では、「実際、お前が生まれてきたときには、お母さんとわしの間はもう駄目になっていた」「一人の女を、自分の女房を知るにはな、にんじん、何年もかかるんだ。で、それがわかったときにはもはや手遅れなんだ。」(にんじん)