いまは欠点もあるけれども、今後の科学技術の発展がそれを補い、人類の未来を明るくしてくれると信じているとしたら、どうだろうか。見込みの楽観論。
promising materialism を見込み唯物論と訳している。これは心身問題などについて、いまは脳神経細胞の結合をどう考えても、自意識の発生は説明が難しいのだけれども、科学が進歩すれば、いつかは解明されるだろうとする立場である。科学者はたいていこの立場である。完全に否定されない限り、いつまでも、将来は解明される可能性があると言い張ることができる。
たとえば、原発の放射性廃棄物をどう処理するかの問題などが典型であるが、たぶん将来、科学技術が進歩すれば、解決されるだろうと考える立場がこれに類するものである。
原爆もありミサイルも潜水艦もあり、どうなってしまうのだろうと考える。安全には万全を期しているはずの飛行機も墜落する。事故は起こる。核兵器関係で事故が起こったらどうなるのだろう。
それでも、将来は何かいい考えを思いついて、人類は生き続けるだろうと楽観的に考える。
核弾頭搭載ミサイルを製造する知性があるのに、感情は未発達で制御しきれないとすれば、どんな不幸も想像できるのではないか。
たとえば福島原発についての反省としては、やはり楽観的過ぎたと言えるのではないか。1000年に一度の地震と津波が起こるとは想定していなかったと言うのであるが。実際に起こったのであるから。
同じことが核保有国において事故が起こることはないのだろうか。楽観的すぎないかと思う。