概念を媒介としない直接的な知覚

概念を媒介としない直接的な知覚。
通常は、知覚は、感覚刺激に認知作用が加わって成立すると考えられる。だから天動説が頭の中にあれば、天が地球の周りをまわっているとしか見えない。黄色い眼鏡をかけていれば世界は黄色に見える。
しかしそうではなく、地動説でも天動説でもなく、星や惑星やこの大地を感覚しようという立場がある。
黄色い眼鏡も、青い眼鏡も、外すのである。
そこに真の感覚があり覚醒がある。

というような説明があるのだが、色眼鏡をかけないでは何も見えないのが人間の脳です。そこの原理的な困難をどう乗り越えるかが問題です。自分が何色の眼鏡をかけているのかわからない。そもそもメガネをかけていると意識もしない。

神秘体験、至高体験、peak experience、超越体験などを語る時、体験として共有しにくく、従って言語表現しにくいことが困難である。そんなものの実体はないのかもしれないし。実体がないからほらを吹いているのかもしれないし。実体があると思っていても、それは勘違いかもしれない。思い込み。あるいは妄想。そこのところは微妙ですね。