睡眠について

睡眠について

健康づくりのための睡眠指針2014」4)厚生労働省健康局作成

良い睡眠で、からだもこころも健康に。
適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
勤労世代の疲労回復•能率アップに、毎日十分な睡眠を。
熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
いつもと違う睡眠には、要注意。
眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

1—良い睡眠で、からだもこころも健康に。
• 良い睡眠で、からだの健康づくり
• 良い睡眠で、こころの健康づくり
• 良い睡眠で、事故防止

睡眠には、からだと心の疲れを回復する 働きがあります。そのため、睡眠不足や 睡眠の質が悪くなることにより健康や生活に問題が起きてきます。 また、睡眠不足がひるまの事故につながることも明らかになっています。 睡眠について正しい知識を身につけ、からだとこころの健康づくりを 目指しましょう。

2—適度な運動、しっかり朝食、 ねむりとめざめのメリハリを。
• 定期的な運動や規則正しい食生活は良い 睡眠をもたらす
• 朝食はからだとこころのめざめに重要
• 睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする
• 就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける

適度運動やしっかり朝食をとる習慣は、毎日のリズムにメリハリをつけることができます。
寝る前にリラックスすることは大切ですが、飲酒や喫煙は睡眠の質を悪くさせ、生活習慣病の原因にもなるため控えましょう。また、カフェインは寝つきを妨げたり、夜中に目が覚めるきっかけにもなります。寝る前3〜4 時間以内のコーヒー、緑茶、紅茶、ココア、栄養・健康ドリンクなどは控え ましよう。

3—良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
• 睡眠不足や不眠は生活習慣病の危険を高める
• 睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる
• 肥満は睡眠時無呼吸のもと

睡眠時間の不足や不眠がある人は、生活 習慣病になる危険性が高いことがわかってきました。また、睡眠時に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は、肥満によって起こりやすく、高血圧、糖尿病など様々な病気の危険性を高めます。 肥満や体重の増加に注意し、睡眠不足や不眠を解決することで、生活習慣病 の発症を予防しましょう。

4— 睡眠による休養感は、
こころの健康に重要です。
• 眠れない、睡眠による休養感が得られない場合、 こころのSOSの場合あり
• 睡眠による休養感がなく、日中もつらい場合、うつ病の可能性も

寝つけない、ぐっすり眠った感じがしない、早朝に目が覚める、疲れていても眠れないなどの症状はI「こころの病」の症状として現れることが、あります。特に、気持ちか重く、物事への関心がなくなるなどの症状が続く場合には、うつ病の可能性があります。
また、目覚めても疲れが残っていると、ひるまの集中力の低下、頭痛、からだ の不調などが、現れ、意欲も低下することが分かっています。

5—年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で 困らない程度の睡眠を。
• 必要な睡眠時間は人それぞれ
• 睡眠時間は加齢で徐々に短縮
• 年をとると朝型化男性でより顕著
• 日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番

成人の標準的な睡眠時間は6時間以上8時間未満で、1年を通しても、日の 長い季節では短くなり、日の短い季節では長くなります。また、年をとると 自然に睡眠時間が短くなり朝型化することが知られています。必要以上に 長く睡眠をとったからといって、健康になるわけではありません。ひるまの 眠気で困らない程度の、自然な睡眠が一番です。

6—良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
•自分にあったリラックス法が眠りへの 心身の準備となる
•自分の睡眠に適した環境づくり

習慣としている就寝時刻が近づくと、脳は徐々にリラックス した状態になります。良い睡眠のためには、寝室やふとんの 温度を快適に保ち、また、不安を感じない程度の暗さで、 気になる音はできるだけさえぎりましよう。寝る前には、自分にあった
リラックスの方法を工夫し、季節に合わせた環境づくりを心掛けましょう。

7—若年世代は夜更かし避けて、 体内時計のリズムを保つ。
• 子どもには規則正しい生活を
• 休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進
• 朝目が覚めたら日光を取り入れる
• 夜更かしは睡眠を悪くする

思春期から青年期にかけては睡眠の時間帯が遅く なります。休日に遅くまで寝ているのは、日頃の 睡眠不足の解消とはなりますが、、同時に体内時計のリズムを乱します。 体内時計は起きてすぐの太陽の光でリセットされるため、暗い寝室で長い 時間過ごすと、夜に寝つく時刻が少しずつ遅れます。また、若年世代では、 夜更かしにより、睡眠時間か不規則になるため注意が必要です。

8—勤労世代の疲労回復•能率アップに、 毎日十分な睡眠を。
• 日中の眠気が睡眠不足のサイン
• 睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる
• 睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる
• 午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善

体質や年齢により、必要な睡眠時間は異なり ます。通常はひるまの眠気により仕事や活動 に支障がなければ、睡眠時間は足りていると 考えられます。勤労世代の睡眠不足は、注意力を低下させ、事故を起こし やすくします。さらに、睡眠不足が長く続くと、疲れがとれにくくなります。 十分な睡眠を心がけましょう。また、睡眠時間か確保できなかった日には、 午後の早い時刻に30分以内の昼寝をすると効果的です。

9—熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
• 寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
• 年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を 燈、
• 適度な運動は睡眠を促進 曹

睡眠時間や睡眠パターンは年齢によって大きく 異なり、高齢者では若年期と比べて必要な睡眠 時間が短くなります。年齢に合った適切な睡眠 時間にすることが大切です。また、長時間の昼寝をすると、メリハリがなくなり、睡眠が不安定になりがちです。
ひるまの適度な運動は、睡眠と覚醒のリズムにメリノヽリをつけ、ぐっすり 眠ったという感覚につながる他、生活習慣病の予防にも効果的です。

10—眠くなってから寝床に入り、 起きる時刻は遅らせない。
• 眠たくなってから寝床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
• 眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする
• 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝•早起きに

寝る2〜3時間前は一日の中で最も寝つき にくい時間帯です。心配になって早く寝床 に入ると、かえって寝つきが悪くなります。
その日の眠気に応じて「眠くなってから寝床に入る」ことがスムーズに寝つく近道です。寝床に入る時刻が遅れても、朝は一定時刻に起き、太陽の光を取り入れることで、寝つく時刻は安定していきます。眠りが浅くよく 目覚めてしまうときは積極的に遅寝・早起きにして、寝床で過ごす時間を 短くすることが効果的です。

11—いつもと違う睡眠には、要注意。
•睡眠中の激しいいびき•呼吸停止、手足のぴくつき・ むずむず感や歯ぎしりは要注意
•眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は 専門家に相談

睡眠の障害には、別の病気が隠れて いることがあります。激しいいびきは、睡眠時無呼吸症候群などの可能性があり、また、足のむずむず感や熱感、 手足のぴくつき、などの症状があると、眠っても休まった感覚が得られません。うつ病の症状でも、寝つきが悪い、早朝に目が覚める、ぐっすり寝た感じが しないなどの不眠があげられます。これらの病気も考えられるため、睡眠 に不安を感じたら早めの検査・治療が大切です。

12—眠れない、その苦しみをかかえずに、 専門家に相談を。
•専門家に相談することが第一歩
•薬剤は専門家の指示で使用

寝つけない、ぐっすり寝た感じが しない、十分に眠ってもひるまの 眠気が強いなどを感じたら「からだやこころの病」のはじまりかもしれません。睡眠に不安を感じたら、早めに 専門家に相談することが大切です。また、お薬による治療は、医師、薬剤師 からの指導を受け、正しく行いましょう。特にお薬とお酒を一緒に飲むのは 非常に危険です。夜眠れないことは、つらく、孤独感を感じるものです。 一人で脳まずに、医師や薬剤師に相談してみましょう。
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日中は適度な散歩で、体も心もリフレッシュ
散歩を習慣にしましょう。習慣といっても、体調の悪い日や天気の悪い日 など、出来ない日があっても問題ありませんので、自分のペースで歩き ましよう。
季節ごとの自然を楽しんだり、目的地を決めたりすると、楽しく散歩でき ます。昼夜のメリハリを付けるのが重要です。

夜、眠くならないときには…
眠くないときには無理に布団に入らず、、一旦部屋 を明るくしてテレビを見たりラジオを聞いたり、 本を読んだりして夜を楽しむようにしましよう。 楽しんでいるうちに緊張がとけ、リラックスして 眠くなってくるものです。
眠くないのに布団に入って消灯し、 眠ろうとすると、焦って緊張してしまい、 余計に眠れなくなります。
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睡眠時間8時間にこだわっていませんか?
健康人の年齢と睡眠時間の関係【海外デーダ
若い成人の睡眠時間は7時間程度であり、年齢とともに短くなり、65歳以上 になると6時間程度となります。長く眠ろうとして、年齢に見合った生理的 睡眠時間を越えて長く床についていると、睡眠が全体に浅くなり、夜中に目が 覚めてしまう時間が増えてしまいます。
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早い時間に眠ろうとしていませんか?
睡眠と生活のリズムを適切にするためには、睡眠と生理機能リズムの関係を 知ることが大切です。
睡眠は、睡眠欲求と覚醒シグナルのバランスにより保たれているため、普段の入眠時刻の2〜3時間前の時間帯は、最も覚醒水準が高くなり入眠に適しません。そのため入眠禁止ゾーンと呼ばれています。そして、いったん入眠 すると睡眠欲求は低下し、十分な睡眠をとると睡眠欲求は消失します。
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あなたの不眠症のタイプは?
睡眠の問題は、3つのタイプに分類されます。
•なかなか寝付けない(入眠障害)
眠りにつくのに30分〜1時間以上かかり、 それを苦痛と感じる。
•夜中に何度も目が覚めてしまう(中途覚醒)
夜中に何度も目が覚めて、その後、なかなか寝付けない。
•朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)
朝早く目が覚めて、もう一度眠ることができない。
※これら3つに当てはまらず「睡眠時間は十分なのに熟睡した気がしない」「眠りが浅いと 感じる」という場合は、熟眠障害といいます。ただし、不眠症に限った症状ではありません。

上記のような不眠症状と倦怠感・集中力低下・意欲低下など日常生活に 支障が生じる症状が週に3日以上、3か月以上続くと、「慢性不眠症」と診断されます。
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不眠症の原因は、さまざまです。いずれかの要因が引き金となり、さらに複数 の要因が重なって、不眠の悪化、日中の不調をきたし、悪循環に陥っていると 考えられます。
別の病気が原因の場合は、その治療をすることが優先されます。
•ストレスの増加
不安や緊張など、心身にストレスを感じていると不眠を招きます。
•生活リズムの乱れ
夜型の生活など不規則な生活リズムは、 体内リズムの乱れを招き、眠りを妨げます。
•間違った睡眠習慣
カフェインやアルコールなどの嗜好品、不適切 な就寝環境は、睡眠を妨げます。
いずれの原因も、「睡眠」と「覚醒」がうまく切り替えられないことが関係して いると考えられています。
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「よい眠り」のための生活習慣
生活習慣を見直しましょう
規則正しい食生活と、定期的な運動を心がけ ましよう。
適度な有酸素運動をすると寝付きやすく なり、睡眠が深くなります。

寝る前の嗜好品には注意しましょう
就寝の4時間前からは、カフェインの入ったものは 摂らないようにしましょう。
(日本茶、コーヒー、紅茶、コーラ、チョコレートなど)

眠るための飲酒は、逆効果です。一時的に寝付きが良くなっても、夜中に目が覚め やすくなり、深い眠りも減ってしまいます。

就床前の喫煙は避けましょう。ニコチンには精神刺激作用があります。
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寝室環境を快適にしましょう 音、光、温度などが睡眠の妨げとなる場合があります。
寝室にじゅうたんを敷く、ドアを閉める(音対策)、遮光カーテンを用いる(光対策) などを試してみましょう。

寝床での「考えごと」はやめましょう 昼間の悩みを寝床に持っていかないようにしましょう。
不安や緊張を感じたまま寝床に入ったり、眠らなければとあせってしまったことで、 寝付きにくくなったり浅い眠りになったりしてしまいます。
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自分でできる不眠対処法
1–眠くなってから寝床へいく
早寝をしても不眠はよくなりま せん。眠気が来る前に布団に 入ると、寝つきに時間がかかったり、 中途覚醒が増えてかえって不眠が 悪化したりしてしまいます。
2–眠れないときは寝室から出る
寝床の中で眠れずに悶々と過ごす 時間が長いと、緊張や焦りにつな がります。
15分ほど経っても眠れないときは 思い切って布団や寝室から出て リラックスしましょう。
3–寝室では寝ること以外のことはしない
寝床や寝室は寝るためだけに使います。スマホや読書は寝室 以外で行い、しっかり眠気が出てから寝室に向かいましょう。
4–昼寝は短めに
長過ぎる昼寝は不眠を悪化させ ます。どうしても眠いときは15時 までに20分程度の短めの昼寝にしましょう。
15時までに約20分!
5–入浴や運動でからだをあたためる
入浴や適度な運動は睡眠の質を 高めます。就寝2時間前頃の 入浴がおすすめです。運動の効果 が出るまでには時間がかかリます。 習慣づけるようにしましょう。
6–お酒を睡眠薬代わりにしない
お酒を飲むと寝つきはよくなりますが、睡眠の質が悪くなり ます。トイレの回数も増えてしまいます。「寝るためのお酒」 はやめましよう。
7–カフェインを控える カフェインの覚醒効果は4〜5時間続きます。コーヒー やお茶のほか、栄養ドリンク、チョコレートなどにも入って います。気になる方は、 夕食以降は控えましょう。
8–寝る前に心身の緊張をゆるめる 眠れなくなると、寝ることに対して緊張や不安感が強くなり ます。そこで、寝る前にリラックス効果のある漸進的筋弛緩法(リラックス体操)をすることがおすすめです。
リラックス体操は、身体の一部分に力を入れ緊張させた後 に力を抜く簡単な体操です。夜中に目が覚めて眠れない ときに行っても効果があります。
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快眠のためには運動も効果的です。
過度の早起きに困っている方は、朝の散歩は止めて、夕方から就寝前の3時間前くらいまでに行うのが理想的です。

就寝の2〜3時間前の入浴は寝付きが よくなる効果が期待できます
入浴により体内の深部体温を一時的に高めると、入浴後、深部体温が下がりやすくな り、眠気が誘発されます。
ただし、就寝1時間前〜就寝直前に入浴すると、深部体温が下がりきらず、寝付きが悪くなります。

液晶画面を就寝 前に見ることは 止めましょう
スマートフォンやテレビ、パソコンなど の液晶画面を就寝 前に見るとスムー ズな入眠を妨げてしまいます。

やることがない から、明日の朝が 早いからといって、 早めに寝床に入ることは止めましょう

睡眠環境を整えることも 快眠のためのポイント として挙げられます

生活習慣や睡眠環境を改善しても不眠の症状が続く場合には原因を 知って正しい対処をするために医療機関を受診しましょう。
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①規則正しい生活リズムを保つ
② なるべく日中に刺激をあたえて活動を促す
③夜間の睡眠の妨げになる原因をなくす
具体的には、下記のようなポイントが挙げられます。
太陽の光を浴びる
なるべく昼寝を控える (昼夏は15時までに15〜30分以内で)
アルコールや カフェイン、タバコの 摂取を避ける
夕方以降の水分の 取り過きに注意する
室温や光などの 睡眠環境を整える
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1–「日常生活は規則的に」がキーワードです。
環境の変化により、起きる時間がバラバラになったり、運動の機会が減ったり、日常生活は不規則になりがちです。仕事や家庭の状況が変わっても、 規則的な日常生活を心がけましょう。
決まった時刻に起床しましょう。 体内時計を安定させるためには 決まった時刻の起床が大切です。
よく眠るために夜間に明るい光を 浴びるのは避けましょう。パソコンやスマートフォンなどの ブルーライトにも注意が必要です。
同じ時間に食事をしましょう。食べたくない時でも、少量で良いので 食事の時間には何かを口にすることが大切です。
屋外で一定時間を過ごしましょう。朝の光で体内時計の時刻を合わせるため、 午前中に屋外に出るようにしましょう。
運動をしましょう。毎日できるだけ同じ時間帯に行うのが 望ましいでしょう。

2– 人との交流を持ちましょう
テレビ電話やメッセージのやりとりなど、 どのような方法をとっても構いませんので、 コミュニケーションをとるようにしましょう。

3– 在宅勤務など仕事をする環境が変わることでいつもより労働時間が長くなったり、仕事とプライベートの境目があいまいになったりしがちです。
仕事の量は適切か(終業時間30分前に終業の目処を立てられる程度が目安)、 1週間単位でリセットできているか、(休日を楽しめているか)、など 仕事の環境を振り返り、無理をしないようにしましょう。
不安に感じていることがあれば、医師に相談しましょう。