不思議だな。2023年8月現在のマイナンバーカードを保険証として使う話。いろいろな意味ですごいなあと思っています。
・今日のニュースでは経済同友会の、サントリー社長・新浪氏が『政府は納期を守れ』と発言。マイナンバー保険証の実行を政府に迫った。これに対して反感の声が強く上がっている。
・それは当たり前の反応だ。なぜサントリーとか経済同友会が、そんな発言をするのか。
・https://www.doyukai.or.jp/about/managers.html これが経済同友会の役員。どういう回路でつながっているのか。
・今回の話で直接政府から受注して儲けるのは次のような会社。
ここから二次受け、三次受け、さらに以下に流れていく。このほかにパソナなどが考えられている。ここに名前のある会社は中抜きをして儲けるけれど、でも、どこの会社もサラリーマン社長がいるだけで、会社がもうかっても個人としてはたいしてもうからないと思う。なぜこんなにも頑張るのか、理由が分からない。
・考えられる理由のひとつ。国民皆保険制度を崩壊させて、アメリカと同じような民間保険制度を主流にすれば、アメリカの会社または日本のその関係の会社がもうかる。日本国民1億2千万人が新しい保険加入者になる。アメリカの会社にはノウハウがある。日本の会社は後追いになる。
・国民皆保険を崩壊させたいとの考えはずっとあったと思う。しかしなかなか崩せないでいた。たとえばすごく高価な薬を発売して、そんなものを買う人がいるのかという問題。それは市場原理でいえば、欲しい人がお金を払って買うだけのことで、命の質もお金次第というアメリカ流のことになる。しかし国民皆保険で国がさじ加減を握っている日本では、患者さんを救いたいという人情は分かるので、みんなで出し合ったお金を少しくらいなら出してあげようという声がある一方で、健康保険財政はかなり危機的で、そんな高価な薬が次々と導入されたらどうなるかとの意見もある。
・また、ここ数年、ジェネリック薬の供給がなくなって、自分に合う薬が手に入らないという患者さんも多くいる。ジェネリック薬品の価格をぎりぎりまで下げたことも生産中止の原因と言われている。
・米国では2億円を超え、世界一高い薬と言われる「ゾルゲンスマ」(一般名:オナセムノゲン アベパルボベク)が、日本でも2020年5月20日から保険適用された。日本での価格は1億6707万7222円で、その時点で国内最高額の薬と報道された。
・このような薬剤の処方を医師が決めるのもなかなか難しい。現場の医師は必要で有効ならばもちろん使いたい。患者さんは保険が効くのなら、命には代えられないのだからぜひ使いたいと思うだろう。すると患者さんはぜひ処方してくださいと医師にお願いする。医師としては客観的に判断するのだが、そこでNoということは難しくなる場合がある。一人の医師がNoといっても、Yesという医師が見つかるまで患者さんは探すだろう。結局使うことになる。すると保険財政は破綻する。ではどうするかという問題になる。そこで、医師が判断するのではなく、助言はするが、患者さんが自分の財布と相談して決めてくださいということにならざるを得ないだろう。すると国民皆保険制度は崩壊し、アメリカの会社がもうかることになる。大宣伝するだろう。その下地は出来上がっている。保険の窓口。
・話を元に戻して、このように国民皆保険制度はやめなさいという圧力が常にある中で、今回のマイナンバー健康保険証である。もともとは健康保険証とマイナンバーは関係ない。しかし何やら騒いでいる。一見して、どんな目的なのかよく分からない。
・そもそもマイナンバーという制度については反対が強い。これらの国では途中まで議論があったが、結局廃止している。なぜ周回遅れの日本がこんなに無理を通そうとしているのか、実に不思議である。
上の表には健康保険証を人質にしてマイナンバー制度を強行するというような説明があるが、大方の意見としては、第一の目標は、銀行口座の把握にあると言われている。2万ポイントのご褒美は各人の銀行口座に支払われるので、必然的に銀行口座と紐づけられることになる。すると資産や税金の捕捉が容易になり、税収が上がる。サラリーマンはすでに強固な源泉徴収制度があって税金はきっちり取られる。しかし自営業者などはまだ緩いところがある。さらに紙幣の更新が予定されていて、タンス預金があぶりだされるというストーリーも想定されている。もちろん抜け道はあるのだろう。そしてその抜け道を指南するという悪い人も出現し、それに引っ掛かる人も出て、弱者と弱者が食い合うという地獄絵図が予想されてもいる。
・だいたい、こんなにも不手際続きの制度なんてありえない。電池を100個並列につないで明かりがつかないようなものだ。
・発注したのはデジタル庁かそのあたりなのだろう、そして受注したのは上の表の企業として、NTTの回線で、富士通のソフトで、アマゾンのアメリカに存在するクラウド基地として、これが正確な情報かどうかは分からないけれども、まずこうした会社の間で打ち合わせがされる。仕様書が作成されて、それがデジタル庁にこっそり流れる。それが仕様書とし発表されて形だけの競争入札などが行われ、予定通り、企業側の予算通りのこととなる。
・しかしそれでは役人は何ももうからないではないかと思うかもしれないが、一部は天下りポストを提供される。それは上の人だけで、それ以外の人は余計な仕事が増えるだけでいいことはないが、それでも出世を望み、将来はそういった天下りポストを希望する人たちは頑張るのかもしれない。
・富士通は下請けに流し、それもまたさらに下請けに流される。そうした上下関係の中でやはりまた利益とポストの交換が行われ、下請け会社には富士通からの天下り役員とかもいるような感じもする。正しいかどうかは分からない。邪推である。
・仮にそうした見取り図が正しいとして、いろいろ不思議がある。『これは日本国にとっては損失だが、そんなことは知ったことではない、自分が成果を上げて会社が生き延びればそれが一番だ、ここで自分が成果をあげなければ誰かほかの社員がいい思いをする、ここで会社が生き延びなければ、ほかの会社がこちらの会社を飲み込んでしまう、とにかくマイナンバーにもマイナンバー健康保険にも賛成だ、チャンスをものにしたい』と思う人だっているでしょうから、頑張るんでしょう。
・でも、この惨憺たる状況を見ていると、この中に一人も、きちんと物事を判断できる人がいなかったということになるのではないか。成果を上げて出世したいなら、事業が成功しないといけない。それなのにここまで失態続きで、お世辞にもいい仕事とは言えない。これでは関係者は誰も出世などできないだろう。本当に出世したいと思うなら、成功させなければならない。失敗はあっても隠す方法を講じておかなければならない。隠せなくなっても誰かのせいにしなければならない。そのように何重にも防衛策を張り巡らせる必要がある。しかし全部失敗している。
・オリンピックなど思い出します。
・もし、こうした何重にもわたる階層構造の中で、ひとりでもきちんと判断できる人がいたら、上も下も説得しただろう。成功したい人たちにとっては、そうした正しい知恵は無視できないはずだ。しかしそれがどこにもなかったことは、確率論としても興味深い。どれだけ低い確率だろう。
・大体考えてみて、こうした失態が生じるのはどういう場合だろうか。富士通から何層もの下請けに仕事が流れるとして、関係する人たちはもちろん仕事の内容を理解している。発注する側は漏れがないように全部理解していないと金額が決められないし契約できない。受注側は仕事を理解していないで仕事を受けるか?そんなことをすると失敗する可能性が高くなる。失敗した時の言い訳ができない。単発のアルバイトなら無責任も可能だが、出世しようと望むサラリーマンはそういうわけにはいかない。会社はそのような人間の集まりのはずだ。
・だから大体は、直列ではなく並列の感じになる。誰か一人がだめなら全部だめというのが直列。誰か一人でもきちんとしていれば成功するのが並列。並列なのに失敗するというのは、なんと、関係した人全員がダメだったということである。関係各社とも、完全にダメな社員を相当な人数集めないといけない。確率の話でよくある、野球で、打率三割として、全員がアウトになって27人で試合が終わる確率のようなものである。
・というように考えると、わざと失敗しているのではないかと考えられる。
・健康保険制度を守り、マイナンバー制度を終わらせるために、上のほうの人が仕組んだのではないか。そうでなければ、このように、ただの一人もまともな人間がいないということは考えられない。一種の陰謀ですね。なぜ陰謀なのかはまた謎になり、邪推になるが。
・成功させるために周囲を説得するはずだ。そして成功したいと考える人は合理的な説明に耳を傾けるはずだ。それが広がれば、電池を並列につないだ時のように、ひとつだけ機能していれば明かりはともるはずなのだ。
・そう考えれば、経済同友会・サントリー・新浪氏の発言も納得がいく。政府は納期を守れなどと語るのは世論の反感を招くだけだ。納期を守れというのは担当者に言えばいいだけだ。記者会見で発言して報道されてどうする。つまり、反発を招くための発言だったと考えるしかない。
・一時的に悪者になり、国民世論を喚起しようという、歴史的役割りを引き受けたのだろう。そうでなければ説明がつかない。こんなに偉い人がおろかだとは考えられない。本人に問題があっても、いつかの総理大臣のように周囲がおぜん立てしてくれるのだから、おろかな言動はあり得ない。本人は役者のように、もっともらしく演じていればいいだけだ。だから失敗は少ない。それでも失敗するのは理解しがたい。まあ、女性防衛大臣とかエッフェル塔の人とか色々いたのではあるが。思い出すとドリルの人とかたくさんいますね。まあ、珍しくもないか。
・アベノミクス第三の矢、見つからず。失われた20年。新型コロナ騒ぎで明らかになった、日本がデジタル後進国であること。
・上の画像の中でデジタル庁は『一切の責任を負わない』と繰り返し出ています。これは問題がいろいろ出ると予告しているようなものです。これも不思議です。
・陰謀説はあんまりですから、頭を冷やして考え直すと、心ある関係者さんたちは、内心苦々しく思いながら、面従腹背で通したのではないかと思うんです。こんなことは日本国民のためにならない、しかし表立って反対するのも嫌なものだし、失敗すると気がついても、何も言わないことにしようと決めたのではないでしょうか。官僚のひとりひとりは優秀で誠実です。私の話も聞くし、私も彼らの話を聞く。その局面では立派な人たちなんです。富士通だってそうです。富士通の文系は知り合いがいないけれども、富士通の理系は立派な人たちです。
・富士通は東大病院に電子カルテを入れた「優秀業者」ですから、そちらの部隊を投入すれば。医療関係のことは問題なく解決できたような気がしますが。東大病院案件は実際失敗だったと思いますが、それで学んだことは大きかったのではないかと思います。
・最近の学術論文を少し眺めてみても、中国人らしい著者とかインド系らしい著者とか多いような気がします。内容の評価は別として。たいしたことのない話にも同僚の名前を一緒に載せてみんなで業績を作ろうというような気力というか元気さを感じます。体力があるんでしょう。中国もインドも理系が強い。将来のノーベル賞はこの人たちなんだろうな。
・そう思うと、コロナの際に、保健所がファックスで流して手作業で集計するとか、コロナ感染の感知のためのスマホアプリが不具合でダメだったこととか。すごい話ですよね、考えてみれば。ありえない話だ。ファックスは日本の特許が関係しているとか、手作業ならば改ざんしやすいとか、スマホアプリは不具合な方が感染状況情報を操作しやすいとか、いろいろあったとは思います。
・嘘とか詐欺的行為がなんだか日常的になっていて、世の中こんなもんだろう、みんなインチキしているんだから、みんなと同じ程度はインチキしてもいいんだとか、思っているのかな、そうでない人も多くいるんだけどな、そういう真面目な人たちはあまり発信しないから、若い人たちは、きちんとした人から学べなくなっているのかな。
・以上の話は国民階健康保険制度を崩壊させるためとか、あるいはもっとありふれた政府自公と企業との癒着とか、そんな構図だけれど、どちらにしても珍しい話でもない。
・そんなことだったらNTTとかNECに直接資金注入してもいいくらいだ。何か税金を注入する理由はないか、そうだ、マイナンバーで行け、健康保険もついでにやれ、なんていうのでは国民が迷惑だ。どうしても理由がないならNECの職員に、あちこちの公園に池を手作業で掘ってもらったらいい。そしてすごい金額を支払って、給料の半額くらいは飲んで使ってしまえとプレッシャーをかけて、サントリーや経済同友会など、世間にお金が回るようにすればいい。公共事業しか思いつきませんというのだから仕方がない。
・二年後に新しいマイナカードにして読み取り機も新しくするとか、健康保険証を廃止して、新しい資格証明書にするとか、公園に穴を掘って、また元に戻すみたいな話ではないか。
・どうしてもデジタルフォーメーションをしたいなら、デジタル大学とかゲーム大学でも作って盛大に投資すればいい。アニメ大学でもいい。
・でも、デジタルは複製が簡単だし、強いものがひとり勝ちするから、トロンでも負けたし、いろいろと道は険しい。ロータスはエクセルに負けて、一太郎はワードに負けた。日本の頭脳はもはや希少価値ではなくなった。アニメは画像生成AIでかなりできそうな気がする。
・そのうち、甲子園の決勝は強豪校同士、神奈川アニメ大学付属高校と大阪デジタル大学付属高校です、とかなりそうだ。昔は工業高校が強かった。最近は福祉大学付属高校とか見かける。
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・国民皆保険は戦後民主主義の産物で、リベラルなムードの中で理想主義的かつ社会主義的・統制経済の感じでできたものと思う。市場主義ではない。
・医療をマーケット主義に変えて、アメリの制度と滑らかに接続できるようにする、そんなことが目標なんでしょうか。いままでは厚労省が決める薬価とか医療技術の点数が問題でそれをコントロールするには役人を動かせばよかった。もっとやりたい放題するにはこの中央統制型の構造をなくしてしまいたいのだろう。厚労省ではなくて、製薬会社と医療保険会社が主役の世界。
・2万円分のポイントで釣る、マイナカードの普及率と交付金を連動させるとして地方自治体をあおる、健康保険証を廃止するからカードを持てと言う。こんな強引すぎる普及策を進めた結果、システム欠陥を見逃しミスが多発した。