COVID-19、高層マンションで糞便エアロゾル感染の疑い

 中国・広州市で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した高層マンション住民3家族9例の疫学調査を実施し、糞便エアロゾルによる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の可能性を検証した。

 3家族のうち1家族にCOVID-19感染中心地の武漢市への渡航歴があったが、他の2家族は渡航歴がなく、渡航歴がある1家族よりも発症が遅かった。エレベーターなどの共有スペースを介した感染の根拠はなかった。3家族が居住していた3戸は垂直に並んでおり、主浴室の排水管がつながっていた。環境検体としてマンション内83戸のうち11戸、共有スペース、排水システムから壁面検体と空気検体237個を採取して調べたところ、環境検体が陽性となった場所も、通気口を介してウイルス含有エアロゾルが垂直方向に広がったことと整合した。