「魂の約束」 醍醐千里
私たちは生まれるとき、神様から魂をいただきました。
みんなその魂を、自分の真ん中においています。
魂は磨けば磨くほど光ります。
漢字の練習を一生懸命しました。
魂は昨日より光ります。
電車でおじいさんに席をゆずりました。
魂は昨日より光ります。
弟におやつをあげました。
魂は昨日より光ります。
今日はごめんねが言えました。
魂は昨日より光ります。
あの人にありがとうが言えました。
魂は昨日より光ります。
努力をしたり、誰かや何かに優しくすることは
魂を磨きます。
けれど
努力をしたり、優しくすることだけではなく、
楽しいこと、うれしいことも、
魂を光らせることが分かりました。
友だちと楽しく大笑い。
魂は昨日より光ります。
誕生日のプレゼント。
魂は昨日より光ります。
楽しいことやうれしいことも魂を磨くと知って、
私はなんだかホッとしました。
ある日、そうじをさぼって友だちと遊びました。
友だちと楽しく大笑い。
けれどその日、自分の中の魂を見て驚きました。
あんなに楽しく笑ったあとだったのに、
魂は、光るどころかくもっているのです。
ある日、友だちからネックレスをもらいました。
お店から盗ってきたネックレスだと言います。
ほしかったものなので、
よく考えもせずにそれを受け取りました。
その夜、魂を見てみたら、その日もまた魂は、
昨日よりくもっていました。
ある日、一人が言いました。
ねぇ、あの子、はぶかない?
あっという間に、その子はひとりぼっちになりました。
私は、その子をひとりぼっちにさせる側にいました。
その輪の中で私には、急に仲間が増えました。
新しくできた仲間とともに、
おもしろおかしく過ごしました。
そんな日々を送る中、
私は久し振りに、自分の中の魂を見てみました。
私の魂は真っ黒になっていました。
私は、自分の魂の色を見て、
とてもおそろしくなりました。
楽しいこと、うれしいことの中にも、
魂をくもらせること、
魂を濁らせることもあると分かりました。
楽しいこと、うれしいことには、
2種類あると分かったので、
これからは、
気をつけていかなければならないと思いました。