人間の権力に対する闘いは、忘却に対する記憶の闘いだ。忘却しないことによって権力と闘うしかない。
と引用したのであるが、
人間は頭が悪いから忘れるとか、うっかりして忘れるとかもあるが、
心理学でいう防衛機制として忘れることもある。
忘れたほうが自分にとって利益になるから忘れるのである。
そういう面もあるので、忘却しないで記憶し続けていつまでも、とは言いながら難しい面もある。
ミサイル防衛も、たくさん発射されると防げないのと同じで、
忘れてはいけないことがたくさんありすぎると、覚えておけなくなる。
少なくとも一部は、記憶が薄れてしまう。
表面的には自分の利益に反するような行動や感情も、深層心理まで含めると実は本人の利益になっているのだという場合がある。忘れるほうが都合がいいから忘れるのである。
深層心理というものは確実に認定するわけにはいかないので真実性を評価できないのだが。
自民党は次の国政選挙の来る3年のうちに忘れてくださいと期待して、国民をイライラさせるようなたくさんの閣議決定や観測気球をくりだしているのであるが、さて、国民は今回もまた、見事に期待通りに忘れるだろうか。
たぶん、忘れる。