絶対悪

善と悪。悪を善の欠如としてとらえれば、その世界観は穏健な世界観である。しかしこの世界にアウシュビッツが出現したのだから、絶対悪は確かに存在する。それを考えると、悪は善の欠如ではなく、悪自体が存在として、善と拮抗しているの … Read more 絶対悪


『道しるべ』タグ・ハマーショルド、鵜飼信成訳、1967、みすず書房。原著は1963年

『道しるべ』タグ・ハマーショルド、鵜飼信成訳、1967、みすず書房。原著は1963年、スウェーデン語。国連事務総長だった人。ノーベル賞の文学賞の選考にかかわっていた。1967年の本だから古本屋で見つけた本だ。だいぶ古い。 … Read more 『道しるべ』タグ・ハマーショルド、鵜飼信成訳、1967、みすず書房。原著は1963年


『職業としての編集者』吉野源三郎、岩波新書1989年。スーパーマンは正しく生きる。そのこと自体が達成である。

『職業としての編集者』吉野源三郎、岩波新書1989年。いい本だった。なるほど、こうして読んでみると、社会の中核を形成するのはこういう立派な人たちなんだなと納得できる。一方で、『日本の狂気誌』に記されているように、世間の主 … Read more 『職業としての編集者』吉野源三郎、岩波新書1989年。スーパーマンは正しく生きる。そのこと自体が達成である。


『なぜ私だけが苦しむのか: 現代のヨブ記 』(岩波現代文庫) 2008 H.S. クシュナー (著) 斎藤 武 (翻訳)

『なぜ私だけが苦しむのか: 現代のヨブ記 』(岩波現代文庫) 2008 H.S. クシュナー (著) 斎藤 武 (翻訳)原題はWhen bad things happen good people祈りについてユダヤ教のラビ … Read more 『なぜ私だけが苦しむのか: 現代のヨブ記 』(岩波現代文庫) 2008 H.S. クシュナー (著) 斎藤 武 (翻訳)


「ヨブへの答え」C.G.ユング、1952、林道義訳、1988、みすず書房

「ヨブへの答え」C.G.ユング、1952、林道義訳、1988、みすず書房。訳者による解説が分かりやすい。「神の人間化」「人間の神化」「神が人間に追い越される」「マリア被昇天」などがキーワード。神も変化する。それは人間の集 … Read more 「ヨブへの答え」C.G.ユング、1952、林道義訳、1988、みすず書房


認知症でも意識障害でも生きている価値はある 世界を体験している可能性はある 魂と意識とすりガラス

認知症でも意識障害でも生きている価値はある 世界を体験している可能性はある 魂と意識とすりガラス自意識のメカニズムが明確に理解されていない以上、いろいろな可能性を考えることは許されている。素朴唯物論的または見込み唯物面的 … Read more 認知症でも意識障害でも生きている価値はある 世界を体験している可能性はある 魂と意識とすりガラス


『日本の狂気誌』小田晋、講談社学術文庫、1998

『日本の狂気誌』小田晋、講談社学術文庫、1998。 先行する文献があったとはいうものの、広い範囲の文献にあたり、それらを整理する労作である。 内容としては古い。古いドイツ精神医学方式の疾病分類と命名、性格類型などで記述さ … Read more 『日本の狂気誌』小田晋、講談社学術文庫、1998


理性が信用しきれない理由 理性の進化論的説明

理性は間違うこともあると考えているが、その概略は次のようである。数学の演算で得られる結果が、自然法則を予言することがあった。数学がなぜ自然法則を予言するのかは実に不思議である。たとえばニュートン力学の神秘的なまでの成果を … Read more 理性が信用しきれない理由 理性の進化論的説明


知性と感情

知性と感情私の考える議論の理想形は、まず何について結論を出すのか、明確にすることだ。次にその議論のために必要な前提条件となるものを明確にする。たとえば現状認識とか価値観の選択とかである。そこまで来たら後は論理計算があるだ … Read more 知性と感情


日本語はSOV。英語はSVO。これを考えて、日本語をSVOで表現したらどうなるのだろう。

日本語はSOV。英語はSVO。これを考えて、日本語をSVOで表現したらどうなるのだろう。ピジンの考え方で、単語としては日本語でも英語でも中国語でも、そのほかでもよいことにしたらいい。その場合、品詞にもあまりこだわらないで … Read more 日本語はSOV。英語はSVO。これを考えて、日本語をSVOで表現したらどうなるのだろう。


『新釈 遠野物語』井上ひさし、1976、新潮文庫

『新釈 遠野物語』井上ひさし、1976、新潮文庫。精霊、伝説、アニミズム、シャーマニズム、これら人間が古くから共存してきたものと共に生きる感覚が呼び起される。昔はこんな感じだったのかななどと思いながら読んだ。するする読め … Read more 『新釈 遠野物語』井上ひさし、1976、新潮文庫


ジョン・スウィントン「報道の自由」に乾杯

1880年、『ニューヨーク・タイムズ』紙の著名な記者であったジョン・スウィントンが、ニューヨークプレスクラブのパーティにおいて「報道の自由」に乾杯がなされたことに対して行ったスピーチ。翻訳例3種。翻訳第一。「世界の歴史が … Read more ジョン・スウィントン「報道の自由」に乾杯


生硬な業界用語 抽象空間で進行する議論

吉野源三郎の文章を読んでやはり生硬な業界用語がかなりあって、しかも業界名詞と業界形容詞と業界論理でどんどん話が抽象空間で進んでいって、読む側がそれらの用語に慣れていない場合にはにはそれに対応する実体がないのでイメージのピ … Read more 生硬な業界用語 抽象空間で進行する議論


「人間を信じる」吉野源三郎。岩波現代文庫/社会223、2011。の解説2。加藤節。

「人間を信じる」吉野源三郎。岩波現代文庫/社会223、2011。の解説2。加藤節。加藤は安倍晋三の大学時代の教官。吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』は1937年、戦時中に偏狭な国粋主義や反動的な思想に抗して刊行された。 … Read more 「人間を信じる」吉野源三郎。岩波現代文庫/社会223、2011。の解説2。加藤節。